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終活の知識

2025.11.20

デジタル終活で気をつけることとは?安心して準備を進める方法

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こんにちは。姶良市・霧島市の葬儀社 天国葬祭の元山です。

 

現代は、スマートフォンやパソコンが生活に欠かせない時代となっています。

それに伴って「デジタル終活」という言葉を耳にする機会が増えてきました。

 

しかし「デジタル終活って何?」と不思議に思う方もいらっしゃるでしょう。

「何から始めればいいのかわからない」「パスワードの管理はどうすればいいの?」と不安に感じる方もいるかもしれません。

 

今回のコラムでは、デジタル終活で気をつけることや、安心して準備を進めるためのポイントについて詳しくご紹介します。

スマホを操作する女性

デジタル終活とは?どんなメリットがある?

デジタル終活とは、スマートフォンやパソコンなどに保存されているデータや、インターネット上のアカウントなど、「デジタル遺品」と呼ばれるものを生前に整理する活動のことです。

従来の葬儀やお墓の準備、財産の整理を中心とした終活に加え、デジタル上の情報管理をする「デジタル終活」にも注目が集まっています。

 

どのような目的で行うのか、何が対象になるのか、そしてどんな良い点があるのかを見ていきましょう。

 

デジタル終活の目的と背景

現在、多くのシニア世代がスマートフォンを使うようになっています。

2024年のある調査によると60代で9割以上、70代でも8割を超える方がスマートフォンを持っており、80代の方でも半数以上が利用しています。

 

こうした背景から、デジタルデータの整理が重要な課題となってきているのです。

 

デジタル遺品にあたるもの

デジタル遺品には、さまざまなものが含まれます。

 

写真や動画などのデータ

スマートフォンやパソコンに保存してある写真や動画は、ご家族にとって大切な思い出です。

葬儀で使う写真を選んでおいたり、残しておきたいものを整理したりしておくと良いでしょう。

 

メールアカウント・連絡先

メールアドレスや電話番号のリストも、デジタル遺品の一部です。

訃報をお知らせする際に必要となるため、整理しておくことが求められます。

 

SNSアカウント

LINEやX、Instagram、Facebookといったアカウントも対象です。

放っておくと悪用される恐れがあるため、削除の仕方を調べておくことが望ましいでしょう。

また、SNSによっては故人のアカウントを「追悼アカウント」として残せるものもあります。

追悼アカウントとは、亡くなった後の管理人を指定することで自分のアカウントを残す方法です。

生前発信した内容をそのまま残せるため、家族や友人が思い出をシェアできます。

 

ネット銀行・証券口座

ネット銀行やネット証券は、紙の通帳がないためご家族が気づきにくい財産です。

解約手続きや税金の申告漏れを防ぐためにも、口座の情報を明らかにしておく必要があります。

 

月額課金のサービス

動画や音楽の配信サービスなど、月々料金を支払うタイプの契約は、手続きをしないと請求が続きます。

どのサービスを使っているか、どうやって解約するかをまとめておきましょう。

 

クラウド上のファイル

スマートフォンに搭載されていることが多いGoogle DriveやiCloudなどに保管しているデータも、デジタル遺品に含まれます。

どこに何があるかを把握し、ご家族がアクセスできるよう手配しておくことが大切です。

 

キャッシュレス決済

クレジットカードや電子マネーなどの情報も整理が必要です。

カードレスのものは特に、番号やアプリの情報を記録しておくと良いでしょう。

 

デジタル終活のメリット

デジタル終活に取り組むことで、次のような利点があります。

 

個人情報やプライバシーを守れる

ネットショップやSNSに登録した情報を整理することで、悪用されるリスクを下げられます。

見せたくないファイルも事前に削除することで、ご家族に余計な心配をかけません。

 

家族の負担や金銭トラブルを防げる

ネット口座や月額サービスの情報が不明だと、ご遺族が契約内容を把握できず、請求が続いてしまうことがあります。

事前に整理しておけば、相続の際の混乱や不要な出費を避けられます。

 

パスワードやログイン情報を整理しやすい

ネットサービスのIDやパスワードは、本人以外は知らないことが多いものです。

エンディングノートなどに記録しておくことで、解約や管理の手続きがスムーズになります。

 

相続漏れを防止できる

ネット上の口座は、通帳がないため発見されにくい傾向があります。

デジタル終活で口座情報を明確にしておけば税金の申告漏れを防ぎ、適切に手続きを進められます。

 

終活全般については「終活でやること10項目!終活の注意点もご紹介」で詳しく解説しています。

あわせて参考にしてくださいね。

 

 

デジタル終活で気をつけること

スマホの操作

デジタル終活を進める際には、いくつかの注意点があります。

ここでは、トラブルを回避するために押さえておきたいポイントをお伝えします。

 

パスワードや重要データの保管場所に注意する

パスワードやログイン情報の扱いは、デジタル終活で特に気を配るべき部分です。

しかし、情報をそのまま紙に書き留めるだけでは、漏洩の危険があります。

 

安全を保ちながら、ご家族が必要なときにアクセスできる方法を考えましょう。

 

紙のエンディングノート

特別な端末がなくても確認できるのは利点ですが、盗まれたり失くしたりする心配があります。

金庫など安全な場所で保管することが重要です。

 

また、紙に記載する場合は「母の旧姓」や「ペットの名前」などのヒント形式で記載すると、情報漏えいのリスクを減らせます。

ただし、ご家族がヒントを理解できない可能性もあるため、わかりやすいヒントを選ぶことが大切です。

 

パスワード管理アプリ

パスワード管理アプリを活用するとしっかりしたセキュリティで一括管理できますが、アプリ自体のパスワードの保管が欠かせません。

信頼できるツールを選び、ご家族にも使い方を伝えておきましょう。

 

公式の継承機能

AppleやGoogleなどの主要サービスには、故人のアカウントを管理する公式機能が用意されています。

活用することで不正アクセス禁止法に触れることなく、ご家族が正規の手順でデータにアクセスできます。

 

重要情報は、金庫や貸金庫などの人目に触れない安全な場所で保管し、ご家族にはその所在と解除のヒントを伝えておくことが理想です。

 

エンディングノートの所在を家族に伝えておく

デジタル終活で丁寧にエンディングノートを作成しても、ご家族がその存在に気付かなければ意味がありません。

 

エンディングノートの保管場所や、緊急時のアクセス方法については、信頼できるご家族に必ず共有しておきましょう。

ネットに詳しくないご家族のことも考えて、ログインの仕方をわかりやすく書いておくことが大切です。

 

エンディングノートについては「エンディングノートとは?書くべき内容や目的をご紹介!」で詳しく解説していますので、ぜひご覧ください。

 

定期的に見直す

デジタル終活は、一度行えば終わりというものではありません。

デジタル環境は常に変化しているため、定期的な見直しが必要です。

サービスの利用停止やパスワード変更など、状況の変化に応じてエンディングノートを更新しましょう。

 

不要になったアカウントやデータも定期的に整理しておくことをおすすめします。

 

家族と話し合いながら進める

デジタル終活はご自身のためであると同時に、残されるご家族のためでもあります。

見られたくないデータの取り扱いについても、家族と事前に方針を共有しておきましょう。

 

専門家への相談も検討する

相続や遺言書作成など、専門的な知識が必要な分野については、専門家に相談することをおすすめします。

行政書士や弁護士などの専門家に相談することで、法的にも適切に対応できます。

 

第三者に代行を依頼する際は、必ず費用や作業範囲、個人情報の取り扱いについて書面で確認しましょう。

 

 

デジタル終活の進め方

ノートに書きこむ手元

デジタル終活を効果的に進めるためには、段階的に取り組むことが大切です。

ここでは、デジタル終活を進める4つのステップについて詳しくご紹介します。

 

ステップ1:デジタル資産をリスト化する

最初に、自分が持っているデジタル資産を洗い出しましょう。

スマートフォンやパソコンだけでなく、クラウド上のデータも対象です。

写真や動画、連絡先、メール、各種アカウントなどを確認します。

 

見落としを防ぐには、受信したメールや利用履歴を振り返るのがおすすめです。

手元の機器をチェックしながらメモを取ることで、全体像が見えてきます。

 

ステップ2:残すものと処分するものに仕分ける

洗い出したデータを、「残しておくもの」と「処分するもの」に分けましょう。

判断の基準は、ご家族に見てほしいか、よく使うか、重要な情報かどうかです。

残すデータは専用のフォルダーを作り、わかりやすい名前を付けて整理します。

 

他人に見られたくない内容は、パスワードで保護しておきましょう。

 

ステップ3:エンディングノートやアプリに記録する

残すことにした情報は、誰が見てもわかる形で記録します。

大事なログイン情報をそのまま書くのは危険なので、「家族の誕生日」といったヒント形式にしたり、信頼できる管理ツールを使ったりしましょう。

 

記録したものは、金庫など鍵のかかる場所に保管するのがおすすめです。

 

ステップ4:家族と共有する

最後に、作ったエンディングノートや保管場所をご家族に知らせましょう。

 

保管場所とあわせて、緊急時の連絡先もあわせて伝えておくと安心です。

 

 

デジタル終活で気をつけることを理解し安心の準備を

デジタル終活は、ご自身のためだけでなく、残されるご家族のための大切な取り組みです。

パスワードや重要データの安全な保管、エンディングノートの所在の共有、定期的な見直しなど、気をつけるべきポイントを押さえることで、トラブルを未然に防げます。

 

一度に完璧を目指す必要はありません。

まずは身の回りのアカウントを確認・整理することから始め、少しずつ記録を残していくことが大切です。

 

ご自身とご家族の安心のために、できることから一歩ずつデジタル終活を進めていきましょう。

 

天国葬祭では、「後悔のないお葬式」をしていただくために、厚生労働省認定の1級葬祭ディレクターが、葬儀に関する不安やお悩みを解決する無料の事前相談を行なっております。

姶良市・霧島市の葬儀は、天国葬祭にぜひご相談ください。

 

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