こんにちは。姶良市・霧島市の葬儀社 天国葬祭の元山です。
突然の訃報を受けた際、香典袋の選び方で迷われた経験がある方は、少なくないでしょう。
コンビニや文房具店に行くと、さまざまな種類の香典袋が並んでおり、どれを選べば良いのか悩んでしまうものです。
間違った香典袋を選んでしまうと、故人様やご遺族に失礼な印象を与えてしまう可能性があります。
そこで今回は、香典袋の種類と選び方について詳しく解説します。
宗教や金額、場面に応じた適切な選び方を身につけて、心を込めて故人様をお見送りしましょう。
香典袋の種類と違いを理解しよう
香典袋には多くの種類があり、それぞれに使い分けのルールがあります。
まずは、基本的な種類と特徴を確認していきましょう。
香典袋の水引のタイプによる分類
香典袋の大きな特徴の一つが「水引」。
弔事では、「結び切り」や「あわじ結び」の水引を使用します。
これらの結び方は一度結ぶと解けにくいため、弔事に適した形とされています。
また、水引は印刷タイプと本物の水引がついているタイプに分かれます。
印刷タイプは水引が袋に印刷されたもので、コンビニでも購入可能です。
一方、本物の水引タイプは実際の紐で水引が結ばれており、より正式で丁寧な印象を与えます。
香典袋の水引の色による分類
水引の色にも複数の種類があります。
最も一般的なのは、黒白の水引です。
これは全国的に広く使用されており、宗教を問わず使いやすいです。
黄白の水引は、主に関西地方から西で使われ、特に京都では一般的です。
また、水引には双銀のものもあります。
このタイプは、高額な香典、または神式に使用され、より格式高い印象を与えます。
香典袋の金額による分類
香典袋は、金額に応じて選ぶ必要があります。
3,000円〜5,000円を香典として包む場合は、白無地の袋に白黒の水引が印刷されたものを使います。
これは、友人知人や同僚、近所の方への香典に適しています。
1万円〜2万円を包む場合は、本物の黒白水引がついた白無地の香典袋を使用します。
上司や部下、親戚などへの香典は、この金額・香典袋が一般的です。
3万円〜5万円を包むのであれば、あわじ結びの水引がついた白無地の香典袋を使います。
水引は黒白または双銀がふさわしいでしょう。
これは、兄弟や親しい親戚への香典に適しています。
自分の親などの香典では、6万円〜10万円以上を包むこともあります。
10万円未満なら中金封の香典袋、10万円以上なら大金封の香典袋を使用します。
素材も高級和紙製のものがふさわしいでしょう。
また、双銀の水引のものを選びます。
香典袋の包みの種類
包みの種類には外包みと中袋があるタイプと、外包みのみのタイプがあります。
外包み+中袋タイプは最も正式なタイプで、現金を中袋に入れ、外包みで包みます。
中袋なしを好む地域の場合は、外包みのみタイプを使用し、紙幣を直接外包みに入れます。
香典袋の選び方の基本ルール
適切な香典袋を選ぶためには、ご紹介したポイント以外にも、知っておきたいルールがあります。
香典袋の宗教・宗派別の選び方
宗教や宗派によって、選ぶべき香典袋の種類が異なります。
仏教(浄土真宗以外)の場合の選び方
表書きには「御霊前」「御香典」「御香料」を使用します。
封筒は白無地または蓮の絵柄のもの、水引は黒白の結び切りを選びましょう。
浄土真宗の場合の選び方
表書きには「御仏前」を使用します。
浄土真宗では、御霊前は使用しません。
封筒は仏教の他の宗派同様、白無地または蓮の絵柄、水引は黒白を選びます。
キリスト教の場合の選び方
キリスト教では、表書きに「御花料」と書きます。
ただし、カトリックは「御ミサ料」、プロテスタントは「献花料」「弔慰料」と書くこともあります。
封筒は無地、もしくは十字架やユリの絵柄のものを使用しますが、水引は不要です。
神式(神道)の場合の選び方
神式(神道)では、表書きに「御玉串料」「御榊料」「御霊前」を使用します。
封筒は白無地、水引は双銀を選びましょう。
ただし、葬儀への参列では、故人様の宗教がわからないこともあります。
そのような場合には、表書きに「御香料」「御香資」と書き、封筒は白無地、水引は黒白を選べば問題ありません。
香典袋の書き方と包み方のマナー
香典袋を選んだ後は、正しい書き方と包み方を知ることが大切です。
ここでは、失礼のない香典袋の使い方をご紹介します。
表書きの書き方
使用する筆記具については、薄墨の筆ペンまたは毛筆を使用します。
これは故人様への哀悼の気持ちを表現するための伝統的な作法です。
書き方のポイントとして、表書きは上段中央に大きく、氏名は下段中央にフルネームで書き、文字のバランスを整えます。
連名の場合は、3名までは右から順に目上の人の名前を記載し、4名以上は「代表者名+外一同」または「団体名+一同」とし、別紙に全員の名前を書いて中に入れます。
中袋の書き方
中袋の表面には中央に金額を縦書きで記入し、「金参萬圓也」のように旧字体を使用します。
使用する旧字体は壱(一)、弐(二)、参(三)、伍(五)、拾(十)、阡(千)、萬(万)です。
裏面には左下に住所と氏名を記入します。
これは遺族が香典返しを送る際の重要な情報となるため、読みやすい文字で記入しましょう。
お札の入れ方
お札の向きについては、香典袋の表面に対して、お札の裏側(肖像画のない面)が来るように入れます。
これは故人様への敬意を表す作法で、複数枚の場合はすべて向きを揃えます。
お札の上下については、一般的には中袋の底にお札の下(数字が書かれていないほう)が来るように入れますが、地域によって違いがある場合もあります。
使用するお札について
香典に使用するお札に新札を使うのは、「葬儀の準備を前もってしていた」という印象を与えるため不適切です。
新札しかない場合は真ん中で一度折り目をつけて香典袋に入れましょう。
ただし、汚れやシワがひどいお札も失礼にあたるので注意が必要です。
お札の枚数は、1枚、3枚、5枚など奇数枚にするのが基本です。
4枚や9枚は縁起が良くないとされる数字のため避けましょう。
香典の金額については、「お葬式の香典の金額相場は?香典袋の書き方や包み方も解説」もご参考にしてください。
香典袋の包み方・閉じ方
香典袋は、ご遺族が開封しやすいよう、中袋・外包みともにのりやシールは付けません。
外包みは左開きになるように折り、上側の折り込み口を下側にかぶせます。
ふくさ(袱紗)の使い方
ふくさ(袱紗)は、紺色、深緑色、灰青色、グレー、紫色など寒色系を選びましょう。
紫色は、慶弔両用で使用できます。
ふくさには封筒を包むタイプと挟むタイプがありますが、挟むタイプを使う場合には、左開きになるように香典袋を入れます。
渡し方は、受付でふくさから取り出し、表書きが相手から読めるように向きを変え、ふくさを台にして両手で差し出します。
ふくさの選び方については、「お葬式のふくさ(袱紗)とは?選び方と包み方や渡し方まで解説」もぜひお読みください。
香典袋の種類の選び方は故人様との関係性や金額、宗教で異なる
葬儀などで用いる香典袋は、適切なものを選ぶ必要があります。
香典袋の種類と選び方は、故人の宗教・宗派、包む金額、地域の風習によって決まります。
基本的には、仏教なら「御霊前」(浄土真宗は「御仏前」)、キリスト教なら「御花料」、神式なら「御玉串料」の表書きを選びましょう。
水引は金額や慣習に応じたもの、封筒の柄は宗教に合ったものを使い分けます。
また、香典袋に氏名などを書くときには、薄墨を使用するのが基本です。
お札は新札を避け、封筒に対して裏向きに入れるようにしましょう。
用意した香典は、ふくさに包んで持参し、受付で丁寧にお渡しするまでが一連のマナーとなります。
姶良市・霧島市の葬儀は、天国葬祭にぜひご相談ください。
天国葬祭では、「後悔のないお葬式」をしていただくために、厚生労働省認定の1級葬祭ディレクターが、葬儀に関する不安やお悩みを解決する無料の事前相談を行なっております。
香典や香典袋に関する疑問についても、お気軽にお問い合わせください。